生産者の救世主現る!スターマヤという品種
F1ハイブリッド種(first filial generation)……耐病性や生産量が優勢な品種の生産を目指し開発された品種。ただ味に関して課題がある場合が多い。
そのうちの一つがこの「スターマヤ」という品種。
F1(雑種第1世代)は、元となった2種の親木の優性遺伝子だけが発現するため、雑種第1世代は全て同じ特性を持ち合わせる。しかし、F1品種同士を掛け合わせると第2世代では第1世代と同一の性質を持つ事は非常に難しくなり、第3世代はもっとバラバラに。
→病気の耐性や収穫量が多く、成長も早いF1品種があったとしても、その遺伝的特性は1世代限りとなり、2世代目からは徐々に劣性遺伝子が発現し、当初想定していた品種としての意義が薄れていく。
大量のF1品種の種を作るためには、除雄などで自分の花粉では種を付けないようにしなければならなく、コストがかかる。また市場に出回るハイブリッド品種がF2品種である可能性や農園で自家採取したF2の種子を使い農地を拡大する可能性など、市場に広く出回るほどにいくつかの課題を抱えている。
このような問題を解決してくれる「スターマヤ」という品種は、マルセレサ種(サルチモールとスーダンルメの交配種でさび病耐性が高く、カップクオリティに優れた品種)とエチオピア&スーダンの原生種による交配種で、この原生種の特性である雄性不稔という仕組みを利用すればF1交配品種を毎年効率よく生産できるようになる。
雄性不稔とは花粉を作らない性質の事で、この性質を持った木を片親とすることで自家受精することなく、他者の花粉にて確実に受精が行われる。この性質を利用する事で、品種交配において確実にF1品種を生産する事が可能となる。
これにより、課題とされていた大量にF1が作成できない状況から、専用の設備や技術を必要とせずに2種の木を用意したシードガーデンを構築するのみで確実にF1品種が生産できるようになった。
こうした品種が主流になる事で、固定腫や在来種の生産が減り多様性が薄れると危惧される側面もあるが、生産地における災害後の復興にも大きな役割を持ち、品種改良の大きな発見とされている。
中米で大きな被害をもたらしたさび病への耐性を高めると共に、今後も深刻な農地被害が起こった際に生産性と風味に長け、農地の復興の一助になるこの品種の登場は、コーヒー生産が抱える様々な問題を解決する品種として大きな期待が寄せられている。
名前かっこいい(厨二病)。気になりますね〜スターマヤ。近いうちに色んなお店で購入出来るようになりそうですね!
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